小規模企業共済は、フリーランスをはじめとした個人事業主や中小企業が加入できる制度です。
小規模企業共済は、退職金のように廃業時に受け取るお金を積み立てる制度ですが、それだけではなく、貸付制度や所得控除になるメリットもあります。
今回はそんな小規模企業共済について説明します。
小規模企業共済とは
小規模企業共済とは、独立行政法人中小機構が行っている積立制度で、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てることができる制度です。
小規模企業共済のメリット
将来への備えができる
小規模企業共済では掛金を自分で設定でき、1,000円から70,000円まで増額・減額もできます。
フリーランスは会社員のような退職金制度はないですが、代わりに小規模企業共済で積み立てておくことができます。
節税になる
所得控除のひとつである「小規模企業共済等掛金控除」が使えるので節税になります。
しかも、全額が控除対象になる(上限70,000円/月)ため、節税効果は大きいです。
貸付制度がある
いくつかの貸付制度があり、低金利で事業資金を借り入れることができます。
- 一般貸付制度
- 廃業準備貸付け
- 緊急経営安定貸付け
- 福祉対応貸付け
- 傷病災害時貸付け
- 事業承継貸付け
- 創業転業時・新規事業展開等貸付け
小規模企業共済のデメリット
オンラインでできない手続きが多い
現在、多くの手続きがオンラインで可能になっていますが、小規模企業共済の手続きはほとんどが郵送でしかできません。
短期間だと損
短期間しか加入しないと元本割れします。
具体的には、掛金納付月数が6か月未満の場合、共済金が受け取れず、12か月未満の場合は、準共済金、解約手当金を受け取ることができません。
また、20年以下で任意解約すると元本割れしてしまいます。
小規模企業共済に加入した場合のシミュレーション
中小機構のHPで、小規模企業共済に加入した場合のシミュレーションをおこなうことができます。
<加入例>
- 2022年12月から30年間(360ヶ月)加入
- 掛金は 2万円/月
- 課税所得額は300万円
この設定でシミュレーションした結果…
30年間で掛金合計額 722万円に対し
共済金A(事業廃止) 869万6千円 / 共済金B(老齢給付) 842万3600円
また、年間節税額は4万8500円となりました。
つまり、共済金と節税額をあわせると、掛け金に対し約150%の実質返戻率となり、非常にお得です。
フリーランスは小規模企業共済に入るべき?
メリット・デメリットやシミュレーションからも分かるように、小規模企業共済は節税にもなり、将来のための資金づくりもできる、非常にメリットの多い制度です。
制度を上手に活用し、節税しながら将来へ備えていきましょう。