元々翻訳者として会社で働き始めたころから、フリーランスになるのが目標でした。
フリーランスになるための準備として約5年会社員として勤め、いよいよ独立。
フリーランスになって1年目に感じたことを書いていきます。
1年目の働きかた
1年目の働き方は、ブラック企業の社員さながらでした(笑)。
依頼が来た場合は、徹夜して納品できるなら受注する・週末休まずに納品できるなら受注する方針で引き受けていたため、ほぼお休みのない状態で働いていました。
1日に働く時間は8~14時間程度。休日であっても5時間ほどは働いていました。
丸1日休むということはほぼなかったと思います。
フリーランスになったことによる変化
人との交流が減る
翻訳者として勤めていたため仕事上で話す機会は多くありませんでしたが、それでも同じ部内の人との会話、ミーティング、勉強会、ランチタイムのおしゃべり、など1日のあいだに何度か話すことがありました。
フリーランス翻訳者になるとこういった交流はほぼなくなります。
仕事のやり取りは基本的にメール。よほど緊急でない限り電話では話しませんし、特許翻訳は「打ち合わせ」のようなこともないので、依頼されたらひたすら翻訳するのみ。
伝達事項はコメントを作成して伝えるだけで、人と直接話す機会というのはまずありません。
生活リズムが乱れる
会社員でなくなり遅刻や残業という概念がなくなったとたん、だらしなくなってしまいました(笑)
くわえて仕事を限界まで受注していたこともあり、徹夜もしょっちゅう。
朝に寝て、午後に起き、そこから朝までダラダラ仕事をするような生活になってしまいました。
のちに結婚や出産によってこの生活は改まりましたが、この経験から思うのは、自己管理ができる人以外は何かしらの制限があった方が規則正しい生活が送れるということ。
私のようにだらしのない人間は縛りがなくなると、どこまでも乱れてしまいます。
苦しかったこと・辛かったこと
フリーランスになって嬉しいこともありましたが、振り返って総合的に考えると苦しいことの方がずっと多かったです。
次の仕事がいつくるかわからない不安
フリーランス1年目は、1件納品するたびに不安に襲われました。手元に案件がない・少ない状態が不安でたまりません。
ありがたいことに、フリーランスになってすぐ1件目の仕事をいただけたのですが、それがいつまで続くか分からない不安がつねにつきまとっていました。
依頼を断れない
1年目はなるべく断らないようにしようと決めてはいたのですが、それ以上に依頼を一度断ったらもう二度と仕事をもらえないんじゃないかという恐怖から、断ることが怖くてできませんでした。
結果として、しょっちゅう徹夜&休日なしで働く日々となりましたが、仕事をしていた方が不安が軽くなるので、この時の私は取りつかれたように仕事をしていました。
体調をくずせない
仕事を目いっぱい入れていたので、体調を崩したら最後、納期を落として信用を失う、最悪のシナリオが待っているため体調管理へのプレッシャーは常に感じていました。
プライベートの予定が入れられない
いつ仕事の依頼が来るか分からなかったため、プライベートの予定を入れられませんでした。
今なら、プライベートな予定を先に入れてから逆算して仕事を受注しますが、当時はフリーランスとして1人前になるために仕事をできるだけ受注したく、その機会を逃さないためにいつでもスケジュールをあけておきたいという気持ちがありました。
そのため、プライベートな予定はほとんど入れず、仕事がなくなったら当日お休みになり、そこから「なにをしようか」考える生活でした。
帳簿付け・確定申告が難しい
これはフリーになった最初の2,3年悩んだところです。
フリーランス翻訳者は売掛も在庫もなく簡単な帳簿付けしかないにもかかわらず、算数が苦手な私にはどうしても難しくて挫折しそうになりました。
9年経った今はさすがに慣れました。どんなに苦手でも最終的には慣れですね。
\ソフトに頼ったりしてツールを使いこなすのも大事なこと/
よかったこと
フリーランス1年目は辛かったっこと・苦しかったことの方が多かったと書きましたが、とはいえやはり念願のフリーランスになったわけなので、もちろんよかったこともありました。
通勤ストレスから解放された!
これはフリーになった当初、一番うれしかったことです。
当時は東京に住んでおり、朝のオフィス街の通勤ラッシュはすさまじく、いつまで経っても慣れませんでした。
夏は汗のにおいや体臭が立ち込め、雨の日には濡れた傘を押し付けられ、冬はダウンコート同士がお互い「じゃまだ」「じゃまだ」と押し合いする。
歩けば足をかけてくる人がいたり、自分の前を横切ったと逆上してキレてくる人がいたり。良い思い出はまったくありません。
だからこそ、通勤から解放されたときはうれしさでいっぱいでした。
働いている実感がある!
フリーランスになり、自分で仕事の依頼を受けたり、自分で納品したりすると仕事をしている実感がわきます。
そして、自分が納品したものに明確に価格がついて、収入となるのも「これだけ稼いだ」というのが目に見えてわかります。
こういったことは会社員時代は感じられなかったことでした。
やりがいを感じられる!
すべてを自分でやっているので、やりがいも感じられます。
依頼を継続していただけると「認めれもらえた」と嬉しくなりますし、もっと頑張ろうと思えます。
会社員のころは、仕事を振られても「ああ、また増えた」と思うだけで、あまりやりがいを感じることはありませんでした。
フリーランスになったことで、主体的に仕事をするようになったと思います。
収入が増えた
単純に働く時間が長くなったからというのもありますが、独立後の最初の1年で会社員時代の130%ほどになりました。
会社員とフリーランスでは福利厚生などの制度が異なるため、130%稼いでやっと会社員時代と同等の生活ができるくらいです。
そのため、収入が増えたからといって単純に喜べるものでもないのですが、頑張れば工夫次第・努力次第で増やせる、ということが分かったのは大きかったです。
まとめ
フリーランス1年目のときの経験についてお話しました。
1年目はとにかくプレッシャーだらけ、仕事は山積み、不安で夜が眠れなかったり動悸がしたり…嬉しいことよりもツラく苦しいことのほうが多かったように思います。
でも、あの1年目があったからこそ今があります。
だからあの1年の経験は本当に良かったと思う、と同時に絶対にもう二度と経験したくないです(笑)