フリーランスってどんな働き方?

最近、フリーランスという言葉を聞くことが増えてきましたが、一体どういう人たちでどういう働き方なのか、メリットやデメリットについてはあまり知られていない部分もあります。

今回はフリーランスについて説明します。

目次

フリーランスって?

フリーランスとは会社等の組織に所属せずに仕事を請け負う働き方のことですが、実は明確な定義があるわけではありません。たとえば内閣府では、自営業主である・人を雇っていない・実店舗がない・農林漁業従事者ではないことを一つの定義としています。

フリーランスの職種はエンジニア、ライター、イラストレーター、カメラマン、税理士、カウンセラーなどさまざまです。

フリーランスで働く人の割合

フリーランスは増えているのか

フリーランスで働く人は増加傾向と言われていますが、本当なのでしょうか。

フリーランスという働き方がわりと新しく、また上述のように定義が曖昧であるため単純に推移を確認することはできないようですが、たとえば内閣府の調査によるとフリーランス人口は増加傾向です。

その調査では過去30年間の推移を分析しており、自営業全体としては減少傾向にあるにもかかわらず、そのなかで一定の働き方(=フリーランスに相当する働き方)をしている人の割合だけが増加傾向にあるのだそうです。

出典:政策課題分析シリ-ズ 17 日本のフリーランスについて ―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―

フリーランス人口はどのくらい?

上述の通りフリーランスの定義があいまいであるため、フリーランスで働く人数も定義によって変わります。

たとえば、ランサーズの調査によると約1,577万人とされていますが、これはランサーズ独自の定義によるものです。

一方、内閣府の調査(2019)によると約300-350万人、リクルートワークスの調査では約442万人(2021)と試算されています。

これを割合で示すと、フリーランスの全就業人数に対する比率はランサーズの調査では22.8%、内閣府の調査では約5%、リクルートワークスの調査では4.6%となっています。

つまり、フリーランスで働く人が増えているとはいえ、まだまだマイナーな働き方であるといえると思います。

ちなみに、いずれの数字も副業・本業を含めたフリーランスの人数の合計のため、本業フリーランサーだけに絞るとさらに少なくなり、ランサーズの調査では約800万人、内閣府の調査では約200万人、リクルートワークスの調査では約300万人とされています。

フリーランスの働き方

フリーランス=自由!!と思われることがありますが、意外とそうではない部分もあります。

働く時間の自由度

本来は決まりがないため好きな時間に働くことができるはずですが、実際はクライアントの活動時間に合わせることが多いです。

翻訳者は一般に翻訳会社と契約していることが多いですが、その場合翻訳会社の営業時間内はいつでも連絡が取れる状態が望ましいです。

必ずしもその時間に仕事をしなくても構いませんが、定期的にメールをチェックする必要がありますし、電話も出られるようにするので、結局その時間に働くことが一般的になります。

働く場所の自由度

働く場所場所についても制約があることがあります。

特許翻訳者をはじめとした産業翻訳者が翻訳する書類は機密事項であることが多いため、安全性を確保するという理由で自宅やコワーキングスペースなど決まった場所での作業を求められることがあります。

カフェで作業する場合、PCをのぞき見されるリスクがあるだけでなく、PCごと盗まれる可能性もありますし、移動中にPCを紛失してしまう可能性もあります。

Miyako
実際に翻訳会社でも紛失や外での作業が問題になっています。

カフェなど公共の場所での作業でのリスクは直接PC画面をのぞき見されることよりも、ネットワーク回線を介してデータを見られることの方がずっと危険性が高いです。

やむなく公共の場で作業することがあったとしても、決して店などで提供されているフリーWi-Fiを使用しません。セキュリティが保証されないからです。

こういった理由からフリーランスでも働く場所が制限されることがあります。

フリーランスのメリット

メリット1 時間の融通が利く

クライアントに左右されるとはいえ、ある程度時間の融通が利きます。

特に子供がいる場合は、子どもの体調不良の際に周りへの迷惑を気にせずに仕事を休めるのは大きなメリットであると思います。

Miyako
ただし、休んだ場合でも仕事は減らないし、納期も変わらないので休んだ分だけ自分は苦しくなりますが…それは仕方ありませんね。頑張りましょう

メリット2 家族の都合に合わせやすい

家族の都合に合わせやすいのもフリーランスの良いところです。

特にパートナーが不定休や平日休みの場合、また有給休暇を取る場合、それに合わせて仕事を組んだり休みを取ったりすることができます。

また、子どもの予定に合わせてスケジューリングすることができるため、平日に習い事もさせやすいです。

メリット3 自分の体調や気持ちに寄り添える

今日は体調が悪いから仕事を少なめにしよう、今日は調子が良いから進めてしまおう、と体調や気分に合わせて働けるのも良いところです。

これは個人の性質・性格によるところが大きいですが、私は気分や体調に左右されやすいタイプのためこれも大きなメリットです。

フリーランスのデメリット

デメリット1 社会保険・税金・制度が圧倒的に不利

デメリットで一番大きいのは制度の面です。社会保険料に関しては、会社員は企業が半分負担してくれていますが、フリーランスは全額自分で払うため金銭的負担が大きくなります。

産休・育休の制度がないこともデメリットです。会社員であれば受け取れる産休手当・育休手当ももちろんなく、金銭的な面でも差がでます。

デメリット2 社会的信用が得られにくい

たとえば住宅ローンを借りる際など、借りられない、もしくは借りられても金利が高くなる、など不利なことがあるようです。

Miyako
私の場合は「特許翻訳」というお堅めの仕事(の印象?)だからか、特に不利ということはありませんでした。

ひとくちにフリーランスといっても職業はさまざまですし、安定した収入があれば信用されないということはないと思いますが、そういう可能性があるということは理解しておいた方が良いと思います。

まとめ

現在は在宅勤務の会社員も増え、必ずしもフリーランスでなくとも自由な働き方ができるようになってきました。

フリーランスが増えてきたことで、政府もフリーランスが安心して働ける環境づくりへの取り組みを少しずつ進めているようです。

参照:内閣官房 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)に対するパブリックコメントの結果の公示及び同ガイドラインの策定について

今後ますます制度的な面で整備がされていくことを期待しています。

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