翻訳について、また英文テクニカルライティングや特許翻訳に関するおすすめの本をご紹介します。
翻訳業界について知るなら
これから翻訳を始める方は、まずは翻訳業界全体や翻訳の分野、また翻訳の仕事の流れや単価などおおまかな状況を把握するために、業界全体のことがわかる本をなにか一冊読むことをおすすめします。
産業翻訳パーフェクトガイド
特許翻訳完全ガイドブック
「英文ライティング」に関する本
The Elements of Style
英文ライティングをするならまずこの一冊!
なんと第一版は1918年に発行され、100年経った今でも大学の授業などで用いられる英文ライティングの名著です。
テーマはシンプル。著者は気取らずシンプルに書くことを大事にしていたそうです。
値段もお手頃ですし、シンプルをテーマにするだけあって非常に読みやすい簡潔な文で書かれています。
「英文テクニカルライティング」に関する本
特許翻訳をはじめとする技術系の翻訳をするには、英文テクニカルライティングを学ぶ必要があります。
The Elements of Technical Writing
平易な英文で書かれており、長さも160頁ほどで気軽に読める一冊です。テクニカルライティングについての基礎が書かれています。
お値段もお手頃なので、テクニカルライティングの最初の一冊としておすすめ。
技術系英文ライティング教本
以前、著者の中山さんのセミナーを拝聴したことがあるのですが、読みにくい特許明細書の英文がこれほどまでに明確で簡潔な英文になるのか、とセミナーのあいだじゅう目からうろこが落ち続けました。
そのセミナー同様、著書も非常にわかりやすく勉強になる良書です。
内容はベーシックなものが中心で、特許や翻訳が対象ではなく技術系の英文を書くのに必要なことを学べます。
これからテクニカルライティングをされる方に特におすすめ。
マスターしておきたい技術英語の基本
技術英語での基本的な事項が絵を交えてわかりやすく書かれています。
こちらも初心者の方へおすすめです。
テクニカルライター英和辞典
意味や用例が技術関係に限定しているテクニカルライティング用の辞典です。
一般的な辞書では載ってないような技術系の例文がたくさん載っているので、翻訳の参考にしています。
テクニカルライティング―NASA SP-7084 1998ハンドブックに学ぶ
NASAのハンドブックにもどついたライティング技法に関する本。
コンマやダッシュの使い方、pageやchapterって大文字?小文字?といったキャピタライズに関する事項、パラレリズムについて、懸垂分詞などのよくある間違いなど英文作成に必要なベーシックな事柄をひととおり勉強することができます。
非常に勉強になる良書ですが、残念ながらもう出版していないようで中古でしか入手できません。
現在はこの本の改訂版にあたる本が出版されています。
なお、NASAのハンドブック自体はPDFで読むことができます。
英語で読みたい方は上記リンクからどうぞ。
科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現
技術系の翻訳者には必携といえる一冊。
ネイティブなら感覚で使い分けられるが、日本人は間違いがちな用法を丁寧に説明してくれています。
よくある誤用の例となぜ誤用なのか、正しい用法はなにか、が合わせて記載されていて、非常に勉強になります。
「特許翻訳」に関する本
次に特許翻訳に関するおすすめの本です。
特許翻訳の基礎と応用
特許翻訳にはいくつか特殊な決まりがあるので、まずそういった決まりを把握するために一冊基本的な事項を確認できる本を読むと良いと思います。
外国出願のための特許翻訳英文作成教本
特許翻訳者必携の一冊。
実際に技術系の翻訳をしている人なら「そう!本当にこういう日本語多くて困るよね」とうなずきたくなるような内容で、難解な和文をいかにリライトして、原文から離れずに3C(正確さ・明確さ・簡潔さ)を実現するかを訳例を示しながら解説しています。
実際はクライアントの指示により制約があるため、この本で書いてある通りにいかないこともありますが、それでも「こういう訳し方があるんだ」と知っておくことは大事ですし、翻訳力をアップさせるためにぜひ読んでおきたい一冊です。
「特許」に関する本
特許翻訳をする上では、特許についても知っておく必要があります。
米国特許法入門
日英翻訳の場合、基本的には外国出願、特にアメリカへの出願のために翻訳する場合が多いため、アメリカの特許法についても一通り知っておいた方がよいです。
初めて読むならこちら。「入門」とある通り、初めての人にもわかるように説明されています。
まとめ
技術系翻訳や特許翻訳におすすめの本をご紹介しました。
少しでもお役に立てれば幸いです。